'99 Rally Raid Mongolの参戦レポート


■8月12日(1日目)ウランバートル→ジンスト 321.95km SPECIAL(レース区間、タイム計測)/471.62km LIASON(移動区間)


 今日はラリー期間の中で総距離793.57kmと一番長い。初日はモンゴルの地形に慣れるまで、マイペースで走ることにする。スタートは午前7時。ゼッケン順のスタートになり、私は13番目。寝不足のままスタートラインに立つと、ゴールまで走れるのか不安と期待が入り交じる。
 ルートは西へ向かうが、日本の林道と違い、デコボコして石が多く走りづらい。また風景が広すぎて、スピード感覚が麻痺してしまう。30kmのダートが切れて、舗装道に出た。道はお世辞にも良いとは言えない。舗装しててもあちこち穴が開いていたりするが、あまり気にしない。遊牧民のゲルを何軒も見かけた。全てが珍しい。最初はリエゾン(タイム計測しないで移動する区間)なので453.93 kmほどツーリング気分で走る。
 やがて幹線道路からはずれ、道がダートになると、SS-1(タイムトライアル)のスタート地点になる。休憩後、落ち着いてスタート。直線をハイスピードで飛ばし、草原から高さ3000mの尾根を越えて、川渡りしてゴールする。 17.69 kmを移動すると、あっという間にSS-2に着いた。疲れが出る。あと155.04 km。緑のじゅうたんがだんだん薄くなってきてゴビ砂漠の匂いがする。初めてコースを間違え、ビバークまでガソリンが足りなくなる。昨日、慌ただしく現地入りしたため、予備のガソリンを積めず、また十分な準備ができなかったのが痛い。後からきた岡さんのバイクから、ガソリンを分けてもらうことができた。午後8時半頃、空は夕焼けで染まり、心が焦る。運悪く、ハンドル周りのFパイプユニットが折れてしまった。転倒してないのに…。
 ヘッドライトの光軸がずれて、ガタガタし視界が悪くストレスが溜まっていく。ビバーク手前の川を見た時は疲労のあまり目の前が真っ暗になった。いあわせた3人で力を合わせて、それぞれのマシンを押して川渡りをクリアする。午後11時頃、やっとビバークに到着。折れたFパイプユニットを応急修理したが、まあ走れるだろう。夜中2時就寝。
やはり、ラリーはハードだ。