'99 Rally Raid Mongolの参戦レポート


■ラリーレイドモンゴルに向けて準備


 スキーでは、第14回世界ろう者冬季競技大会のアルペン競技日本代表選手として出場した。
 スキーシーズン以外はオフロードバイクをやっていて、全国の林道走行、富士山頂上走行やラリー等に参加し、テクニックを少しずつ覚えていくと、海外ラリーに参加してみたいと思うようになってきた。
 去年の12月、締切前にハンディキャップがある人は、一般のエントリー(参加登録)費より20%割引いたレースプランが今回初めてあり、チャンスなので迷うことなく申込む。それでも70万円したが、バイクの搬送やガソリン代も含まれているので安い方だろう。
 企画したのは、日本人が開催する唯一の国際CCR(クロスカントリーラリー)で、愛媛県松山市にあるSSER ORGANIZAIONが主催している。このラリーはモンゴル国内約4000kmを、8日間で走破する過酷なもので、毎日のラリーは短くても東京から大阪間ほどになり、ほとんどがダート(舗装されてない道)を走行するものだ。エントリーしたのは二輪 48台、四輪3台。中にはパリ=ダカールラリー優勝経験者もいた。主催者は参加者全員に事故など救助がほしい場合に備えて、トランシーバーを配布。これは緯度・経度を入力すればいいものなので私にも使用できる。また、耳が不自由という事を考慮して、現地でモンゴル人とコミュニケーションが取れるように、モンゴル語でお願いしたい内容を箇条別に書いて用意してくれた。
 今年の6月20日、神戸にて車検。この日までにマシン改造やテスト走行、荷物の準備などでかなり忙しく過ごした。どのように改造すればいいのか? 聴覚障害者は耳から入る情報が乏しいため、本を読んだり、ラリーレイドモンゴル完走経験者やラリーに詳しいバイク店に色々尋ねたりして情報を集める。会社から帰宅すると夜遅くまでマシン改造が続いた。
 車検後は主催者がバイクを船でモンゴルまで運んでくれる。参加者は現地集合なので、準備期間も含めて早めに行くべきなのだが、日が取れずラリー前日の8月11日、関西空港からモンゴル直行便の飛行機に搭乗した。