'99 Rally Raid Mongolの参戦レポート


■8月17日(6日目)アルタイ→ゴビ 687.27km SPECIAL


 朝、ガソリンを入れた。漏れてない事を確認する。今日から最終日のゴールまで約1700km、漏れないことを祈る。今日は山越えとテクニックを要するガレ場、そしてアルタイを後にすると南ゴビのエリアに深く入る、かつてラリーでは通った事がないルートだ。恐竜の谷を越え、アルタイの岩山、谷、広い尾根と複雑な地形が展開される。ラリー6日目にして大きく明暗を分けた。コースの難易度が最も高いこの日、12台がリタイヤし、翌朝になってもゴールしていないのが20台以上という波乱のステージとなった。
 スタート直後に主催者からスピードを押さえよと合図があったが、細野さんがクラッシュ(衝突事故)した。意識がなく酷い怪我をしているのを見て、ショックを受ける。ラリーは危険が高い。アクセルを全開にするので、突然、穴や凸凹に出くわした時が大変で、運にまかせるしかない。
 何回も小さなミスコースをしながら、通過チェックポイントに到着する。道がないので、CAP(コンパスを利用して走る事)走行する。一瞬フロントタイヤが滑り、転倒してしまった。地面に顔をぶつけた。起き上がるとゴーグルが赤い。左眉に3cm深いキズを負い、止血するのが大変だ。しばらく安静にしていると、一人ぼっちだからか、一瞬、日本に帰りたいと思った。なんとか血が止まると、又、飛ばす。RCPに到着すると、主催者が応急手当をしてくれた。再び走り出すがなかなか進まない。夕方には、恐竜の谷に入る。ここは断層を少し掘ると化石が沢山見つかる所だ。チェックポイント-2に到着した時は真っ暗だった!ヘルメットの上にフォグランプを取付けて走るが、すぐ壊れてしまう。バイクのヘッドライトのみでは暗く、スピードが上がらない。砂地なのでハンドルを取られやすく、バランスを維持するのがつらい。ビバーク20km手前で修理したICOが突然おかしくなる。現在何kmの地点か分からない。後ろからバイクが来て、この道は合っていると教えられホッとした。真っ暗闇の中を5時間走ってビバークに午前2時頃到着した。左手の手のひらのマメがむけてきて、とても辛い。1日でも早くゴールしたい。あと2日、頑張るぞ!