12/26
 荷物整理等に、あわただしくなる。午前11時頃、チャレンジ75を出発し車検会場の
あるアラスに向かう。だんだん不安が募る。車検会場となった国際展示場の中に入る
前にバイクにガソリンを入れる。ガソリンスタンドへ行くが、フランスでは給油は自
分でする。給油後、書類審査を行うが一番困ったのは言葉だ。身振り、手振りでコミュ
ニケーションを取りながら、全ての書類審査が終わるまで1時間以上かかった。記入
しなければならない用紙もあったがわからないので、主催者にやってもらう。
 それからいよいよ車検。GPSチェックでクリア。バイクにゼッケンを貼り、ジャケッ
トに胸ゼッケンを縫いつけてくれる。ゼッケン番号は137。TSOのオリオール代表は心
配そうな顔で電子手帳を利用し、「大変に注意深く」と伝え握手してくれた。エマー
ジェンシーキットのチェックを行い終了。パルク・フェルメのあるアラスの中央広場
にマシンを駐車して終了となった。会場内は見学できるようになっていて、皆が柵の
前まで身を乗り出すように眺めている。このイベントの大きさに改めて驚く。

車検合格後、ゼッケンプレートを付け
る。

エマージェンシーキットのチェックを行
い終了。

12/27
 車検2日目はアシスタントカーの車検なので、私は見学。会場は大にぎわいだ。ま
たこの日は増岡さん、篠塚さんら三菱チーム、KTMなどが車検会場に姿を現したとあっ
て、入場制限されるほど観客でごった返していた。ホテルに戻るときチャレンジ75の
車に乗せてもらえると思って、2時間ぐらい待っていたが先に帰ってしまったようだ。
頭にきたが仕方なく、雨の中を少し迷いながら無事ホテルに到着。

前回優勝者のイタリア人、メオーニ。
KTMの新型マシン、LC8.。


車検前、三菱の増岡選手。

12/28
 第1ステージ : アラス→シャトールー
 リエゾン : 465 km - Total : 465 km

 いよいよスタート当日だ。スタート地点のアラスは朝から薄曇と強風に見まわれて
いたが、午後からしだいに天候も良くなり、昨日とはうって変わってスタートに相応
しい天候となった。遅く起床する。朝食のとき、ラリー中に宿泊する予定のホテル予
約について、パトリックに質問する。シャトール、ナルボンヌのホテルを予約してい
ないことがわかり慌てる。高いサポート代を払ったのになぁ…。
 堀田君が英語ができるので、ナルボンヌのホテルの予約を取ってくれた。感謝!
 
 今日は午後8時頃アラスを出発し、シャトール到着時間は多分夜中の2〜3時頃だが、
シャトールのホテルの予約をしていない。フランス人チームが電話でシャトールのホ
テルの予約を取ってくれて、ホッとする。
 スタート前のミーティングに参加するため、午後4時アラスへ。入口は人が混んで
いて、思い切り押さないと進まない。説明はフランス語と英語だが、全くわからない!
 そのままスタート会場へ向かうがどこでスタートするのか分らないのだ。
 スタート地点はバルク・フェルメ(車両保管)会場だった。たまに、フランス人の
ろう者と会えて楽しく話す。健聴者ばかりの中で、ろう者と会いスムーズにコミュニ
ケーションがとれて嬉しい。
 遅いゼッケン順から一人ずつパルク・フェルメ会場に入る。日没後の午後5時から
開催セレモニーが行われ、徐々にゼッケン137のスタートが近づいてくる。この頃に
なると会場及び周辺には約10万人近いギャラリーで埋め尽くされ、こちらの人気がひ
しひしと伝わってくる。まず、午後7時からチームアシストカーがスタートする。そ
してバイクが8時から順にスタートだ。8時15分頃スタートステージに上がる。約1万
キロ先のダカールを目指してついにはじまる。「私は日本人デフです」と言いつつ、
発進!!
 第1セクションポイントのシャトールー(フランス)に向けて会場を後にする。ス
タートから2.33km地点にチャレンジ75のサポート車が止まっている。防寒服を着て、
バイクにハンドルカバーを付けて出発。予定通り高速道路に入る。パリ付近は分岐が
多くて、分りづらい。マップの英文の字が小さくて読みにくく、前を走っているバイ
クと一緒に走る。カナダ人で親切な人だった。
 途中雨が降る。夜中3時前後、シャトールーに到着。集まった観衆の前で紹介され、
軽食をしながら、地元の人に車でホテルまで送ってもらう。次のスタートまで4時間
しかない。睡眠時間は2時間。初日は慎重な走行に徹した。


左から堀田、広瀬、鈴木、私(田村)

「私は日本人デフです」と言い、握手。

約1万キロ先のダカールを目指してス
タート!