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第6ステージ: エル・ラッシディア→ワルザザット
リエゾン : 56 km + SS : 338 km +リエゾン : 182 km - Total : 576 km

 今日は本格的なSS、338kmになる。ラリーで初めて砂丘が出てきた。生まれて初め
ての砂丘越えだ! 神秘的なエルグ・シェッビの砂丘、そしてモロッコで最大級の砂
丘メルズーガ。南下を続けていく。広大な大地の上をうねうねとカーブが重なる乾河
沿いのコースへと突入する。さらさらした茶色の砂でバランスを崩して転倒が多くな
る。体力の消耗が大きい。下りでは前のめりに転倒してしまう。左膝が軽い打撲にな
る。下りてからの登りは難しい。谷にむやみに下りると登れなくなる場合があるので、
出来るだけ谷に降りないように注意する。緩い坂で止まって、再スタートすると、リ
ヤタイヤがスピンしてしまう。やはり、スピードに乗って登らなければ! 下りは、
アクセルをちょっと戻すと前輪が沈んでしまい、前のめりになる。最悪の場合、前転
するので危険。本当に怖かった。またキャメルグラスといわれる、砂地に草がいっぱ
い生えているところでは走りにくかった。どうすればスムーズに走れるか悩む。
 とにかく車がスピードを出しているので、追い越されるときは驚く。また、ひどい
埃で視野がゼロになるので怖い。次の車がいつ来るかと気になりだすと、走りに集中
出来ず、首が筋肉痛になるほど100回ぐらい後を振り返る。四輪のホコリはひどく見
通すまで時間がかかる。MOTO(二輪)とAUTO(四輪)とカミオンが一緒に走るのは危
険だ。MOTOだけでラリーをしたい。
 CP2に到着し、燃料給油に15分のタイムニュートラルとなる。夕方、SSゴール。そ
れからリエゾン182kmに入り、ゴールまで遠く感じた。途中暗くなり、舗装道の白い
センターラインと路肩ラインがないのと、バイクのライトが暗くて道がよくわからな
い。崖があり、右側走行にも慣れていない。対向車が来ると怖い。ゆっくり走る。四
輪のライトが明るくて、羨ましい。午後7時頃、ビバーク到着。コースはラリーレイ
ドモンゴルと較べると厳しい。競技というより完走できるペースでダカールを目指そ
う。
 今日の成績は総合133位、日本人選手で3位。


スタート前の朝食。

神秘的なエルグ・シェッビの砂丘。

CP2の燃料です。

15分のタイムニュートラル。


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第7ステージ :ワルザザット→タンタン→ズエラット
リエゾン : 176 km + SS : 351 km + リエゾン : 266 km [break 8時間]

 3日と4日はマラソンステージで計1545kmの距離になる。タンタン到着後、休憩だ。
 リエゾン176kmの後SSスタートする。車のホコリが辛い。パリダカはホコリだらけ
だ。ガレ場や凸凹が多く、スピードが上がらない。コース後半に入ると、ハイスピー
ドコースになる。アクセル全開は、怪我をした手首がキツく時速80kmしか出ない。ラ
リーはトップスピードが重要で、タイムが大きく変わる。午後3時頃SSゴール。266km
リエゾンの間に暗くなり、走るのが辛い。6時過ぎ、ビバーク到着。チャレンジ75の
車を探すのに時間がかかった。整備をお願いする。6時間休憩だと思ったが、松川さ
んに6時間から8時間に変更になったと言われる。夜食を済ませて早めに寝る。今日の
成績は総合120位、日本人選手の中で4位。


燃料給油に15分のタイムニュートラル。

SSゴールの風景。


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リエゾン : 365 km + SS : 371 km + リエゾン : 16 km - Total : 1 545 km

 8時間の休憩が終わると、夜のリエゾン365kmだ。このリエゾンを終了すると、休
憩1時間のニュートラルタイムを受け、次のSS371kmへとスタートする。
 タンタンでの短い休息のあと夜の3時にいよいよスーパーマラソンデイがスタート。
365kmのリエゾンだが、後半の100kmはダート。ほこりが凄くて走りにくい! やっぱ
り夜は嫌いだ。でもミスコースしないように軍隊が明かりを焚いて道しるべを作って
くれているので助かった。でもそれもそのはず、このあたりは国境で地雷原だから、
ミスコースはマジで命取りだからだ。それをラリー中知らないまま走り、パリダカ終
了後、初めて知る。やはり、聴覚障害があると情報が取りにくい。手話通訳者か、ア
シスタントが必要だと感じる。レンタルしたバイクのライトが暗くて、スピードが上
がらず不満が残る。強化ジェネレーターを付けられればいいなあと思った。まっすぐ
南方へ空を見ると、満天の星が見えて美しい。回りは地平線だが、走行中、寒かった
り、暑かったり、気温の変化が大きくて不思議に思う。ほとんど砂だが、ハンドルを
取られやすいので、注意しながら走行する。朝焼けが美しい。バイクを止めて写真を
撮る。国境で朝食が用意してあったのでゆっくり食べながら、元F1ドライバーの片山
さんと話をする。親切な方で、障害者に対して理解があるかなと思った。
 CPに燃料給油があると思い、SSスタートの所に行くとない。ああ困った。今まで、
300km走行していたからあと80kmしか走れない。SS中、マシンが動かないとリタイヤ
になる。主催者からガソリンを2〜3リッターわけて貰った。前のバイクと一緒に走
行する。ラリーレイドモンゴルと違って、砂煙がひどくて先が見えず、フロントタイ
ヤが引っ掛かって転倒し、右肩を打撲してしまった。痛いけど、まだ走れる。CP2に
到着。6リッターガソリンを購入。ホッとしたけど20ドルは高すぎる。
 後から来た鈴木さんと一緒に走る。スピードが出しやすいコースだったがミスコー
スしてしまう。GPSを利用しながら、コースに戻るがマシンが途中で止まってしまう。
少しガソリンがあるがエンジンがかかりにくい。40km先のCPに燃料給油があるとのこ
と、省エネルギーで走りながらぎりぎりCPに着く。給油を済ませるとハイスピードで
走行する。360度地平線を見渡せることに事に感動しながら。
 日が暮れる前にズエラットに到着、ホコリぽい町だった。今日はガス欠した為、SS
タイムが最悪。久しぶりにシャワーを浴びて、少しサッパリする。アシスタントカー
は夜中に到着するので、バイク整備は自分でしなければ…。しばらくするとチャレン
ジ75のアシスタントカーが到着したので、引き続き整備を頼む。
 今日の成績は総合130位、日本人選手の中で4位。

このあたりは国境で地雷原ですが、朝
焼けが美しい。

モロッコとモーリタニア国境のSSスター
ト前、朝食兼休憩中です。

360度地平線を見渡せて感動した。