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第8ステージ :ズエラット→アタール
リエゾン : 9 km + SS : 383 km + リエゾン : 4 km - Total : 396 km

 朝食時、フランスのテレビ局から取材される。英語がわからないので電子手帳を利
用した。SSスタート、砂漠走行、SSゴール等、すべてに渡って取材された。広いサハ
ラ砂漠を走行中、景色に感動していたが、ヘリが近づくと風が強くて辛い。取材され
ていると思うと緊張してしまう。
 今日は使い捨てのワンデーコンタクトを使っていたが、走行中に目から外れてしま
う。バイクを止めるとヘリが降りてきた。カメラマンが私の様子を撮っている。こん
な所まで撮るの?と思う。コンタクトをやり直して、ふたたび飛ばす。タイヤ跡が少
なくなってきた、少しミスコースしたらしい。ガレ場が多いが、バランスをキープす
るのは問題ない。硬い路面上ならどんなコースでも平気だ。でも、さらさらの砂漠は
素人には本当に厳しいし、困難だ! 上りで10回以上スタックしてしまい、バイクを
方向修正しようと必死で動かしていると体力を消耗する。とても暑いのと水がなくなっ
たのとで、体力が落ちしばらく休む。砂漠で水がないままでは死んでしまう。危険だ。
 四輪の轍が多くて、バランスを保つのに苦労した。砂漠でスタックすると、モーリ
タニア人が私のバイク押しのお手伝いしてくれるが、お金を要求された。
 CP手前の長い上りには四輪の轍が多いのを見て、10分ぐらいじっと考え込む。この
道を走るしかない、それ以外は急壁ばかり。ハンドルを取られてもいいから思い切り
スピードを出した方がいいと考え挑戦する。成功「やった!」。
 CPに無事到着。主催者から「やあ、ビバークに行けるよ!」と声をかけられミネラ
ルウォーターをもらう。同時に到着したフランス人ライダーと一緒にアタールへ。だ
んだん辺りが暗くなる。昨日と同じくフロントタイヤが引っ掛かって転倒してしまっ
た。右足はマシンと地面の間にはさまれてしまい、くるぶしが痛む。夜間の砂地走行
は長かった。夜中12時頃、SSゴール。フランスのテレビカメラマンから取材された。
CPからずっと走ってきたフランス人ライダーと強く握手する。
 明日は休息日でほっとする。このラリーは二輪がスタートした2時間後に、四輪が
スタートする。私のスタートはトップから約1時間後になり、その後1時間経つと四輪
がスタートするため、コース状況によりスタートから200kmあたりで、四輪に追い越
される事になる。砂漠では車に追い越された轍が出てきて走りにくくなる。二輪トッ
プライダーは車に追い越されることもなく、四輪の轍もなく有利に楽に走れるのだ。
ビバークに到着した時、食事の所で速い選手が7人ゆっくり休んでいる。うらやまし
いと思った。今日の成績は総合126位、日本人選手の中で4位。


SSスタートの風景。

広いサハラ砂漠だ!

砂丘越えです。上りで10回以上スタックし
てしまい、苦労した。

暑すぎて、早く脱出したいぐらいでした。


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アタールにて・休息日

 今日はのんびりできる! 昼までゆっくり寝ようと思っていたが、9時過ぎるとテ
ントの中が暑くなる。仕方なく外でぶらぶらする。日本から持ってきたラーメンとご
飯を久しぶりに食べた。やはり日本食は美味い。
 パトリックが来て、バイクを整備している場所はテントから離れているとのこと。
洗車後、バイクに乗って整備所へ。夕方終わるというので任せる。日陰の所は意外に
涼しい。ゆっくりジュースを飲む。シャワーを浴びたいと思い、モーリニア人に水を
用意してもらって体を洗う。日本と違ってやりにくい。温泉に入りたいと思った。
 右手に血豆が出来たので、医者に注射で血を吸い取り、赤い消毒液を注入してもら
う。痛くて辛い。三橋さんと堀田君は手まめがないから集中して走る事が出来る。そ
れから、肩から腕まで少し筋肉痛なので、マッサージしてもらった。他の選手を見る
と怪我を負っている。
 大きなアンテナがあり衛星電話ができるようだ。マスコミ用にパソコン通信、イン
ターネットも用意されてある。世界から注目されているんだ、と実感する。FAXがあっ
たので日本の両親へFAXして見たが、通じない! 残念。ゆっくり休んでいるうちに
あっという間に夕方になった。明日から後半のレースに入る。昨日、砂丘で苦労した
ので不安が残る。

チャレンジ75のパトリック。私のバイク洗
車している。

大きなアンテナがあり、スケールが大き
いパリダカです。

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第9ステージ :アタール→アタール
リエゾン : 33 km + SS : 366 km + リエゾン : 5 km - Total : 404 km

 今日のコースはSS区間で非常にバラエティに富んだ路面で、アタールからのルー
プステージとなる。一昨日の事を思い出して、多めにミネラルウォーターを用意した。
スタート後、深い砂と沢山の轍があって、ハンドルが取られやすくしんどい! 止ま
ると再スタートが大変なので、スピードをキープしなければならない。突然、急な下
りがあっても、アクセルが戻らないないようにイメージして走行した。むやみにアク
セルを戻してしまうと前転するから怖い。四輪の埃はもううんざりだ。砂丘では下る
時、転倒が多かった。景色は眺めるだけなら素晴らしいが、実際に走行するのはもう
いやと言うぐらいだった。嬉しいことに今回は簡単にクリアする事が出来た。
 砂丘と砂丘の間にフラットな地面を探して進む。砂漠の走りに少しずつ慣れて、ス
ピードに乗る。夕方SSゴール。股の皮膚が摩擦した為、痛くなっている。明日は大丈
夫だろうか? 明日のコースは今大会の中で最も難しく、最も長いSSとなる。明後日、
チシットまで到着すれば完走が見えている。
 今日の成績は総合103位、日本人選手の中で4位。


スタート後、深い砂と沢山の轍があって、
ハンドルが取られやすくしんどい!

砂煙が出てカッコいい。

砂漠走行は少しずつ慣れてきた。
SS終了後、撮影。